不眠症

Insomnia

不眠症

寝つけない、途中で目が覚める、朝早く目が覚める、眠った感じがしない方へ。

この相談で整理すること

  • 不眠症で受診を考える目安
  • 背景にある生活リズム、薬、身体疾患、心理的要因
  • 睡眠日誌を使った評価
  • 薬だけに頼らない治療の選択肢

受診の目安

  • 寝つくまで30分以上かかる日が続く
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 予定より早く目が覚め、その後眠れない
  • 眠れない状態が続き、日中の生活や仕事に影響している

当院でできること

01

睡眠日誌で整理

起床時刻、寝床にいる時間、中途覚醒、昼寝、カフェインなどを確認します。

02

非薬物療法

刺激制御、睡眠制限、起床時刻の固定など、CBT-Iに基づく考え方を取り入れます。

03

薬物療法の検討

必要時に薬を検討し、漫然とした継続を避けるため状態を確認します。

04

併存要因の確認

睡眠時無呼吸、むずむず脚、うつ、不安、痛み、薬剤などを必要に応じて確認します。

当院でできないこと・必要時の紹介

  • 一度の診察で原因や治療効果を保証することはできません。
  • 入院検査や特殊検査が必要な場合は専門施設を紹介します。
  • 強い希死念慮がある場合は救急・精神科救急など緊急窓口をご利用ください。

初診で確認すること

初診では、診断名だけでなく、睡眠が生活や仕事にどのように影響しているかを確認します。

  • いちばん困っている睡眠の症状
  • 就寝時刻、起床時刻、寝床にいる時間
  • 中途覚醒、早朝覚醒、昼寝、休日のずれ
  • 日中の眠気、集中力、疲労感、運転や仕事への影響
  • いびき、無呼吸、起床時の頭痛
  • 現在の服薬、カフェイン、アルコール
  • 夜勤、残業、出張、通勤、復職予定
  • 必要な検査、治療、紹介、保険診療と自費相談の区分

不眠症を考えるときの基本

不眠症は「眠れない時間がある」だけで判断するものではありません。寝つけない、途中で起きる、朝早く起きる、眠った感じがしないといった夜の症状に加えて、日中の眠気、疲労感、集中しにくさ、仕事や生活への影響を一緒に確認します。

背景には、体内時計のずれ、睡眠時無呼吸症候群、痛み、頻尿、うつや不安、薬剤、カフェイン、夜勤、寝床で長く過ごす習慣などが隠れていることがあります。薬だけでなく、生活と睡眠のつながりを見ることが重要です。

用語の説明

入眠困難寝床に入ってから眠るまでに時間がかかる状態です。原因は心理的緊張、体内時計、光、カフェイン、寝床時間の長さなどさまざまです。
中途覚醒夜中に何度も目が覚める状態です。睡眠時無呼吸、痛み、頻尿、アルコール、薬の影響も確認します。
早朝覚醒予定より早く目が覚め、その後眠れない状態です。生活リズム、気分、年齢、薬などを含めて見ます。
熟眠困難睡眠時間はあるのに眠った感じがしない状態です。主観と客観記録にずれが出ることがあります。
CBT-I不眠に対する認知行動療法の考え方です。睡眠日誌、寝床時間、起床時刻、寝床の使い方などを整理します。
睡眠日誌就寝、起床、昼寝、カフェイン、薬、眠気などを記録する表です。治療方針を考えるための材料になります。

診療で確認すること

01

睡眠の型

入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠困難のどれが中心かを確認します。

02

生活リズム

起床時刻、休日の寝だめ、昼寝、光、スマートフォン、運動、食事を確認します。

03

服薬と嗜好品

睡眠薬、抗不安薬、痛み止め、カフェイン、アルコールなどを確認します。

04

併存疾患

睡眠時無呼吸、むずむず脚、気分、不安、痛み、頻尿などを確認します。

根拠に基づく診療の考え方

01

CBT-Iを重視

慢性不眠では、睡眠薬だけでなく、睡眠日誌、刺激制御、睡眠制限、認知面の整理を組み合わせるCBT-Iの考え方が重視されています。

02

薬は目的を明確に

薬物療法を使う場合も、寝つき、途中覚醒、早朝覚醒、翌朝の眠気など、何を改善したいのかを分けて考えます。

03

背景疾患を見落とさない

睡眠時無呼吸、概日リズム、痛み、気分、不安、服薬、カフェインなどが不眠に見えていることがあります。

04

日中機能を見る

夜の睡眠時間だけでなく、日中の眠気、集中、仕事への影響を治療方針の材料にします。

参考情報:AASM 2021 behavioral treatment guidelineAASM 2017 pharmacologic guideline

参考文献

  1. Behavioral and psychological treatments for chronic insomnia disorder in adults、American Academy of Sleep Medicine、2021年。
  2. Clinical Practice Guideline for the Pharmacologic Treatment of Chronic Insomnia in Adults、American Academy of Sleep Medicine、Journal of Clinical Sleep Medicine、2017年。
  3. 健康づくりのための睡眠ガイド2023、厚生労働省、2024年一部改訂。

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